年寄りは梅雨に体調を崩す

介護をしていると気が付くのが本人の体調の変化が梅雨時が一年を通してもっとも悪くなる時期である、ということだ。

 

神経を痛めたせいか梅雨の時期は本当に動かないので今日も運動をやらせた。嚥下も手足もリハビリが必要なのだ。病気になってもらうと大変なのだ。


春先にこんなことがあった。
春先に確定申告のバイトがあって、応募したら採用が決まった。

が、決まってすぐ父が熱を出した。熱は39度。

いきなり寒いと言い出してガタガタ震えだした。食事を済ませてトイレをさせようと便器に座らせてすぐだ。腕を絞めて体は硬直したかのように、そして声色も急に震えだした。体中の筋肉に自ら力を入れて入れまくっているように見えた。そう、まるでわざとやっているのかと思うくらいいきなりの変化だった。

なに?寒いの?と聞くと寒くてかなわない、寒い、寒い、と言う。
食事を終えて30分経っていない。先ほどまで話をしながら食事をしていたのに、だ。

以前も入院中にこんなことがあったと頭をよぎる。やはり急に発熱した。
その時はインフルエンザと思われたが陰性で、結果精密検査をしてもらって結果、腎盂腎炎と分かった。ちょうどそのときの体調変化に似ていた。

まさか。また肺炎?腎盂腎炎?なんだろう、そう思って取り急ぎベッドへ寝かせようとしたら、今度は車椅子から立ち上がれない。しかたないので椅子をベッドに横付し、椅子に私が座り、当人を車椅子からいったん自分へ引き寄せて立たせ、方向を変えてベッドへ、と思ったがそれももう出来なかった。
とにかくがちがちに力を入れまくって腕も解放できなかったのだ。

こういうときはどうしていいのか分からず、本人を説得してとにかくおかしいから何とかしてベッドへ行こうと言い、先ほどの要領で移動させた。本人は手も足も力を入れまくってガチガチ震えている。声も震えている。何ともなかった30分前とは全然違うのだ。とにかくベッドへ移動できたのですぐさまバイタルチェックをした。

血圧、いつもと同じくらい、脈拍はかなり高め。体温が38度位。解熱剤を飲ませようかようか様子を見るべきか?迷った。
寒い、寒いと訴える。私は押入から季節外れの布団を引っ張り出しベッドに乗せる。冷静になって再度体温を測ると、38度5分、と上がってくる。食後1時間で体温の上昇が1度。早すぎる。すぐ訪問ナースに電話をかけるか主治医に電話するか迷った。

こういう時どうしたらいいのか?
時間は夕飯が終わったころだったのでドクターコールをしてみたら、来て下さると言うので玄関の街灯をつけ開錠をした。しばらくしてDrが来て下さった。

が、いつものDrじゃなーいw
今はお休みで代わりのDrが来て下さったのだ。
道理で車が違うと思った・・・・。

聴診器で胸の音を拾ってもらったが異音がないらしく、肺炎でもなさそう。
いままでの経緯を説明し以前の似た症状を伝えると飲み薬と抗生物質を貰う。解熱剤も。とにかく飲ませて様子をみていたら、Drの到着に熱を測ると39度近く。1時間半で36度5が39度。
Dr曰く、おそらく感染症でしょうと。お帰りになった後すぐさま解熱剤を飲ませ様子見をする。

Drが帰られたのが午後8時半ごろ。それから2時間ごとに熱を測ってみたら11時ごろ38度に。
とりあえず寝ることにして夜間3時ごろ熱は38度のまま。そのまま朝になる。

翌朝、熱は37度5分くらいになっていた。主治医から電話があって朝食後こちらへ来て下さると言うので待つと7時半ごろいつものカッコいい車で来て下さった。そしてDrみずから導尿してくださった(!!普通Drはやりません。もう大感謝)

かなり汚れていた。オシッコが。

最初に泌尿器科でもらったカテーテルにゼリーを塗っておちんちんの穴に挿入するのだが、子供の私がやろうとすると当人は猛反対!恐ろしいのでやめろと大暴れ。しかたないのでいつもはナースにお願いしていた。

おちんちんから尿道カテーテルを通して膀胱に溜まったオシッコを外に出す。片方の先はダイソーで買った1Lの食品用計量カップで出てきたオシッコを受ける。おなかを軽く絞り出すように抑えおしっこが無くなったらおしまい。これがいつもなのだが今回は。

まるで冬の蜂蜜の瓶の底にたまったドロドロのようなものがカテーテルから出てきた。結果、「尿路感染というやつです。」つまり動かないのと体力が落ちたために、細菌が繁殖して、腎臓にたくさんある毛細血管から一気に体中に回るので急に発熱する・・・だそう。

以前やった腎盂腎炎のようなものかな、と思いつつ、父の様子をみる。

Drは小さな点滴のパックを手に点滴を開始。病院のようにぶら下げるところがないので、部屋にあったシングルハンガーをベッドの横に持ってきてそれにS字フック(ダイソーのやつ)をぶら下げてそれに点滴バッグを下げてくださった。

Drすいません、役に立たなくて、と言いながら手伝っていた。
それに、朝ごはん後の病院が開業する時間前に来て下さって。
Drまじ!ありがとう!!

本当に頭が下がる。若いDrに主治医を頼んでよかった。

そうして急な熱は翌日もDrが訪問して下さった。翌日は定期訪問に当たったのでちょうどよかったが。
熱が下がっていたので飲み薬だけもらい様子見だった。熱は翌日には平熱になり当人はケロッとしていた。体がまだだるいようだったので1週間は様子見となった。
早い抗生物質と導尿とが良かったのだろと思う。念のため毎日導尿を一週間連続でナースにやってもらうことになった。

抗生物質は殺せない耐性菌が残るとまずいのであんまり使いたくないのだろうし、私も使ってもらいたくないと思っていた。物理的に導尿カテーテルで問題を削ってくれた対応がありがたいと思った。

つか、当人がもっと運動すればいいのだ。
体力が落ちてきて運動をサボるからこうなるのだ。

こんなドタバタがあり、結局確定申告のバイトは税務署に電話で断ってしまった。断ってから治ったので本当にあーっと思う。

年寄め・・